「選ばれた人たち」ペトロ第一 1:1~2

使徒ペトロは、ポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ピティニアの
各地に離散し、滞在している選ばれた人たちを励ますためにこの手紙を書き
ました。主に選ばれているとはどういうことかを、2 節で説明しています。
1.父なる神の予知に従って
「予知」とは、全能の父なる神様が、予めすべてを知っていてくださるとい
う意味です。主イエスは弟子たちに向かって、「あなたがたが私を選んだので
はない。私があなたがたを選んだ」(ヨハネ15:16)と言われましたが、父な
る神様は私たちのことをよく知っていてくださり、その上で、私たちを選んで
くださったのです。それは、私たちが優れていたからではありません。愛のゆ
えに、無きに等しい者を選んでくださったのです。そして、この神様の愛は変
わらないのです。ペトロが何度失敗をしても愛し抜いてくださったように、神
様は変わらない愛をもって愛し抜いてくださるのです。
2.霊により聖なる者とされ
「霊」とは、「聖霊」のことです。聖霊は、神様の生命の霊です。枯れた骨
のような者をも聖霊は生き返らせてくださいます(エゼキエル37章)。「聖な
る者」とは、「聖別された者」という意味で、「神様のもの」とされるという
ことです。聖霊は、枯れた骨のような者を生き返らせ、聖別して神様のものと
し、どんなときも守ってくださるのです(イザヤ43:1~2)。
3.イエス・キリストに従い、また、その血の注ぎを受けるために
1選ばれたのは、イエス・キリストに従う者となるためです。主イエスはペ
トロに、「私に付いて来なさい」(マタイ4:19)と言われました。主イエス
に従い、主がゆだねてくださる務めを果たしていくために選ばれたのです。
2しかし、人は自分の力で主イエスに従うことは出来ません。人間の中に神
様に反抗する心があるからです。ですから、「その血の注ぎを受けるために」
と言われているのです。「永遠の霊によってご自身を傷のない者として神に献
げられたキリストの血は、私たちの良心を死んだ行いから清め、生ける神に仕
える者としないでしょうか」(ヘブル9:14)と言われています。主イエスの
十字架によって、罪が赦され、きよめられ、喜んで主に従う者へと変えられる
のです。
4.恵みと平和
ペトロは、「恵みと平和が、あなたがたに豊かに与えられますように」と祈
りました。主が共にいてくださるという恵みと、そこから来る平和(平安)
が、困難な状況の中にあった人々を支えたのです。