2025年12月7日(日)礼拝説教「マケドニア人の叫び」使徒言行録 16章6~10節 島津師

「マケドニア人の叫び」使徒言行録 16章6~10節

自分の計画通りに進まない、ということを経験したことがありますか。使徒
パウロも、そのようなところを通りました。
1.聖霊によって禁じられる
パウロたちは、先の伝道旅行で訪問した町を再び訪問し、主イエスの弟子に
なった人たちを励ましました。その後、さらに伝道旅行を進めるために、アジ
ア州に行こうとしましたが、聖霊がそこに行くのを禁じられたというのです。
そこでビティニア州に行こうとしたのですが、そこに行くのもイエスの霊が許
しませんでした。そして、とうとうトロアスという町にたどり着きました。こ
こから先はエーゲ海です。どん詰まりの地です。神は、私たちの計画にストッ
プをかけるという形で、私たちを導かれるということがあるのです。
2.思いがけない導き
「聖霊が禁じる」とか、「イエスの霊が許さなかった」というのがどのよう
なことなのかは、はっきりとは分かりません。推測されるのは、このときパウ
ロは病気になったのではないかということです。パウロはガラテヤの信徒への
手紙の中でこう書いています。「私が最初あなたがたに福音を告げ知らせたの
は、私の肉体が弱っていたためでした」(4:13)。病気になり、計画を断念し
なければならなくなったということは、パウロにとって辛い挫折の経験だった
と思います。こうして、トロアスにたどり着いたのですが、10節に「私たち」
という言葉が出てきます。トロアスで、使徒言行録の著者であるルカが伝道チ
ームに加わったということが分かります。ルカは医者です(コロサイ4:14)。
パウロは一人のマケドニア人が「マケドニア州に渡ってきて、私たちを助けて
ください」という幻を見るのですが、一人のマケドニア人とは、ルカのことだ
ったのではないかと思われます。病気になったために医者のルカと出会い、こ
の出会いを通して海を渡ってマケドニアに行くように導かれたのです。当初は
思ってもみなかったヨーロッパへの伝道ですが、ここに神の導きがあったとパ
ウロは確信したのです。行き止まりの地が、新しい出発の地となったのです。
3.マケドニア人の叫び
「私たちを助けてください」という叫びは、今も叫ばれています。その叫び
を聞いて、その方々に福音を届けましょう。私たちを通して、福音が届くのを
待っている人たちがいるのです。