2025年11月30日(日)礼拝説教「すべてを最善に導く神」使徒言行録 15章36~41節 島津師

「すべてを最善に導く神」使徒言行録 15章36~41

パウロはバルナバに、先の伝道旅行で誕生した諸教会がどのようにしている
かを見るために、もう一度、訪問しようと提案しました。ここから第二次伝道
旅行が始まります。ところが、その出だしの所で問題が発生してしまいました。
1.パウロとバルナバの意見の衝突
バルナバは、マルコを再び連れて行こうと提案しました。しかし、パウロは
先の伝道旅行で、途中で帰ってしまったマルコを連れて行くことに反対しまし
た。バルナバは「慰めの子」と呼ばれているように、弱い人を慰め励ます人で
した。彼は、一度失敗したマルコにもう一度チャンスを与えて、彼を何とか育
てたいと思ったのでしょう。それに対してパウロは、迫害の激しい中での伝道
旅行なので、途中で帰ってしまうマルコは危険を伴う務めにふさわしくないと
考えたのでしょう。二人の意見は激しく衝突し、そこで、バルナバはマルコを
連れて、パウロはシラスを連れて伝道旅行に行くことになりました。良い意見
と良い意見がぶつかってしまうことがあります。しかし、神はその中にも働い
てくださいます。
2.マルコの課題
マルコは先の伝道旅行で、キプロス島からパンフィリア州のベルゲに行った
とき、エルサレムに帰ってしまいました(13:13)。なぜ帰ってしまったので
しょうか。推測の域を出ませんが次のことが考えられます。1伝道旅行の困難
さを体験し、恐ろしくなった。2伯父であるバルナバの故郷であるキプロス島
での伝道だけに協力しようと思っていた。3伝道チームのリーダーシップがバ
ルナバからパウロに移ったのが不満だった。彼は困難な状況、人間関係、自分
の考えに捕らわれ、神を信頼し、神に従うという姿勢が欠けていたのです。
3.神の最善の導き
神は、このような意見の衝突や人間的な弱さの中にも働いて、最善へと導い
てくださるお方です。
1伝道チームが二つになり、より広い地域に福音を伝えることができるよう
になりました。神は二人のそれぞれの賜物を用いてくださったのです。
2マルコは悔い改めへと導かれたことでしょう。晩年のパウロから全幅の信
頼を寄せられる人になりました(IIテモテ4:11)。
3パウロとバルナバの信頼関係も深まったようです(Iコリント9:6)。