「最初の教会会議」使徒言行録 15章22~35節
アンティオキア教会にユダヤ(エルサレム教会)からある人々(ファリサイ
派から信者になった人たち)が来て、「モーセの習慣に従って割礼を受けなけ
れば、あなたがたは救われない」と教え始めました。アンティオキア教会には、
異邦人で信者になった人たちが多くいました。パウロとバルナバは、彼らに、
割礼を受ける必要はなく、主イエスの恵みを信じることによって救われると教
えていたのです。そのため、パウロやバルナバとユダヤから来た人たちとの間
に、激しい対立と論争が生じてしまいました。そこで、この問題を協議するた
めにエルサレムで会議をすることになりました。
1.会議の進め方
彼らは、どのように会議を進めたのでしょうか。
(1)議論を重ねる=自分たちの考えを伝え合う
(2)ペトロ、バルナバとパウロの証し=神がどのように働かれたのかを伝える
(3)議長であるヤコブの裁定=聖書が何と言っているかに基づく
(4)教会全体と協議し、満場一致で決定する
(5)聖霊と私たちは=話し合いの中に聖霊は働いておられる。
(6)手紙を書き、使者を遣わし、信者全体に伝え、励まし、力づける
2.主イエスの恵みによって
この会議で決定したことは、救われるために割礼を受ける必要はなく、主イ
エスの恵みを信じることによって救われるということでした(エフェソ2:8、
9)。私たちが救われるために必要なことは、すべて主イエスがしてくださった
のです。私たちはそれを恵みとして受け取るときに救われるのです。この決定
によって、キリスト教はユダヤ教の一派ではなく世界宗教となって行く道が開
かれたのです。
3.愛の配慮
アンティオキア教会への手紙の中で、「偶像に献げた肉などを避けるように」
ということが記されています。ユダヤ人は、偶像に献げた肉や血の付いた肉は
食べなかったのです。そこで、教会の中でユダヤ人と異邦人が一緒に愛餐会を
することができるように、異邦人の人たちにユダヤ人に対する配慮を頼んでい
るのです。救いの原則を変えてはいけません。しかし、その他のことについて
は、柔軟に、お互いを配慮することが大事なのです。
