2025年10月12日(日)礼拝説教「派遣」使徒言行録 13章1~12節 島津師

使徒言行録は第 13 章から第 2 部に入ります。ここから、パウロたちによ
る世界宣教が始まります。
1.多様な人々を受け入れる教会
アンティオキア教会のリーダーたちの名前が記されています。バルナバは、
エルサレム教会から遣わされた人で、「慰めの子」と呼ばれています。ニゲル
と呼ばれるシメオン、ニゲルとは黒という意味で、おそらく黒人だったと思わ
れます。キレネ人ルキオ、キレネは北アフリカの町です。マナエンは「領主ヘ
ロデの幼なじみ」と紹介されています。ここに出てくるヘロデは、バプテスマ
のヨハネの首をはねるように命じたヘロデです。そのヘロデと幼なじみと言わ
れているので、身分の高い家の人だったと思われます。そしてサウロ、熱心な
ユダヤ教徒で、かつては教会を迫害した人です。こうしてみると、アンティオ
キア教会は、多様な人々を受け入れる開かれた教会だったことが分かります。
2.礼拝を大事にする教会
多様な人々がどこで一つになれたのか。それは礼拝でした。彼らは、十字架
と復活の主、そして今も生きて働いていておられる主を礼拝しました。そして
断食するほどに祈り、さらに、御言葉を通して聖霊が語りかけてくださる御旨
に従う教会でした。バルナバとサウロを世界宣教に遣わすようにと命じられた
とき、彼らはそれに従い、バルナバとサウロを派遣したのです。今も主は、礼
拝において私たちに語りかけ、それぞれの働き場へと遣わしてくださるのです。
3.魔術師との戦い
バルナバとサウロは、まずキプロス島に行きました。ここはバルナバの生ま
れた所です(使徒4:36)。彼らは、助手としてマルコと呼ばれるヨハネを連れ
て行きました。彼はバルナバのいとこでした(コロサイ4:10)。「パウロと呼
ばれていたサウロ」と書かれていますが、ここから名前がパウロに変わります。
ユダヤ的な名前のサウロよりも、ローマ的な名前のパウロの方が世界宣教の働
きのためにはよかったのでしょう。ここに、総督を信仰から遠ざけようとした
魔術師が登場します。魔術師は、人の不安につけ込んで自分を偉大な者に見せ
ようとします。しかし、神は愛です。世界と私たちの人生を導いてくださって
いるのは、この神の愛です。そのことが分かるとき、私たちは不安に打ち勝つ
ことができるのです。