2025年9月28日(日)礼拝説教「祈る教会」使徒言行録 12章1~19節 島津師

「祈る教会」使徒 12:1~19

1.熱心な祈り
ヘロデ王は、12 弟子の一人であるヨハネの兄弟ヤコブを殺してしまいまし
た。ここに登場するヘロデ王は、主イエスが誕生したときのヘロデ大王の孫に
なります。さらにヘロデ王は、ペトロも捕らえて殺そうとしました。教会は絶
体絶命の危機に直面したのです。
そのとき教会はどうしたでしょうか。5節の「教会では」の前に、訳されてい
ませんが原文には「しかし」と書かれています。ヤコブのときも、教会では熱
心な祈りがささげられていたと思います。けれどもそのときは、願い通りには
ならず、ヤコブは殺されてしまいました。ヘロデ王の力は絶大です。その中で
の「しかし」なのです。なぜヤコブが殉教し、ペトロは助かるのか。そこには
人間にはわからない、神様の御旨があるのでしょう。ですから彼らは、祈りの
結果は神様に委ね、圧倒的な権力を持つヘロデ王を前にして、めげないで、諦
めないで、「しかし」と言って、神様に熱心な祈りを献げたのです。
2.神による救出劇
神様が天使を遣わして、不思議な方法でペトロを牢の中から救い出してくだ
さいました。鎖は彼の手から外れ落ち、第1,第2の衛兵所は難なく過ぎ、鉄の
門はひとりでに開いたのです。ペトロは救い出された後、我に返って「今、初
めて本当のことが分かった」と言って、神様が救い出してくださったことを悟
りました。私たちも、行き詰まってどうにも動きが取れないと思うとき、突然、
道が開かれるという経験をする時があるのではないでしょうか。神様は、この
ような形で働いてくださっているのです。
3.祈りを聞いてくださる神
救われたペトロは、自分のために祈ってくれている教会の仲間の所に行きま
した。ところが、人々はそれがペトロだと信じられませんでした。ペトロが助
かるようにと祈っていたのに、実際に助かったらそれを信じることができなか
ったのです。毎日祈っていても何も起きなかったのです。もう駄目なのではな
いか、と思ってしまったとしても不思議ではありません。そんな彼らを責めら
れないように思います。駄目かと思いつつも、なお祈る、神様はその祈りを聞
いてくださいました。こうして神様は、もっと信頼してよいのだということを
教え、私たちを育ててくださるのです。