2025年6月22日(日)礼拝説教「天が開けて」使徒言行録7章54節~8章3節 島津師

「天が開けて」使徒 7:54~8:3

ステファノを訴えた人々は、彼の弁明を受け入れず、ステファノに石を投げ
つけて殺してしまいました。ステファノは最初の殉教者となったのです。
1.天が開けて
この緊迫した状況の中で、ステファノは「ああ、天が開けて、人の子が神の
右に立っておられるのが見える」と言いました。ステファノは下を向くのでは
なく、天を見上げたのです。するとそこに、主イエスが立っておられるのが見
えました。聖書の他の箇所では、主イエスは父なる神の右に座しておられると
記されています。ところが、ここでは主イエスは立っておられるのです。これ
は、殉教の死を遂げようとしているステファノを、主イエスが立ち上がって迎
えようとしておられるお姿だと言われています。こうして、ステファノは天の
御国に迎え入れられたのです。このように、主イエスはいつも私たちを見つめ、
祈り、支え、導いてくださるのです。
2.ステファノの祈り
ここに、ステファノの二つの祈りが記されています。「主イエスよ、私の霊
をお受けください」と「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」です。
この祈りは、主イエスが十字架の上で祈られた祈りとそっくりです。主イエス
はこう祈られました。「父よ、私の霊を御手に委ねます」(ルカ23:46)。「父
よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか分からないのです」(ル
カ23:34)。ここに、キリストに似た者とされたステファノの姿があります。
彼もまた、すべてを主に委ねる平安な心、そして自分に石を投げつける人を赦
す心が与えられたのです。それは、「ステファノは聖霊に満たされ」と記され
ているように、聖霊が彼に与えてくださった心でした。
3.無駄に終わらない
ステファノが殉教する場に、サウロ(後のパウロ)がいました。彼は教会を
迫害する急先鋒でした。その彼が、後に180度変えられ、伝道者となるのです。
彼が変えられる理由の一つになったのが、ステファノの最後の姿を目撃したこ
とにあったと思います。ステファノの死は、後のパウロを生み出したのです。
教会に対する激しい迫害が起こり、多くのキリスト者がエルサレムにいるこ
とができなくなり、地方へと散らされて行きました。しかし、彼らはその先々
で福音を伝えました。こうして福音は各地へと広がっていったのです。