2025年5月18日(日)礼拝説教「恵みと力に満ち」使徒言行録 6章8~15節  島津師

「恵みと力に満ち」使徒言行録 6章8~15節

ステファノは、当時の教会が行っていたやもめたちへの日々の分配が公平に
行われるために立てられた人たちの一人でした。彼はこの奉仕をする中で福音
を伝えていたようです。彼の伝える福音に反対する人たちが彼を訴え、ついに
彼は捕らえられ最高法院で裁判にかけられることになります。その内容につい
ては次回から学ぶことにして、今朝はステファノがどのような人物であったの
かを学ぶことにします。
1.恵みと力
「ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間
で行っていた」(8)と記されています。恵みとは、神様からの一方的なプレゼ
ントです。主イエスの十字架と復活のゆえに、罪が赦され、神の子とされ、永
遠の命が与えられることです。ステファノは、この恵みにあずかり、この恵み
に満たされ、感謝に溢れていたのです。それは彼の生きる力となりました。そ
れは、復活の命に生かされ、途方に暮れても失望せず、落胆せず、日々、新た
にされるという生き方になったはずです(IIコリント4:7以下)。
ステファノは、毎日接するやもめたちにこの恵みを伝えたに違いありません。
希望を失いがちなやもめたちにとって、それはどんなに大きな力となったこと
でしょう。これこそが何よりも「すばらしい不思議な業としるし」です。
2.知恵と霊
「しかし、彼が知恵と霊とによって語るので、歯が立たなかった」(10)。
反対者の攻撃に対して、聖霊はどのように答えたら良いかという知恵をステ
ファノに与えてくださいました。ですから、反対者たちは彼に歯が立たなかっ
たのです。知恵とは机の上の単なる知識ではありません。実際の生活の中でど
う生きたら良いのかを教えてくれる光です。健康なときも病めるときも、富め
るときも貧しいときも、私たちの道を照らす光です。「あなたの言葉は私の足
の灯。私の道の光」(詩編119:105)。聖霊は御言葉を通して、私たちにこの
知恵を与えてくださいます。
3.天使の顔のよう
裁判の席に立たされたときのステファノの顔は、「さながら天使の顔のよう
であった」(15)と記されています。主が共にいてくださるという信仰から来
る平安が、彼を包んでいたのです。