2024年12月29日(日)礼拝説教「恵みの内にとどまる」ペトロの手紙第一 5章12~14節

ペトロ第一に手紙を読んで礼拝をささげてきましたが、本日がその結びの部
分になります。
1.忠実な兄弟
ここに「シルワノ」という人の名前が書かれていますが、この人は、使徒言
行録では「シラス」という名前で出てきます。彼は、パウロの伝道旅行に同行
し、パウロの働きを助けました。パウロと共に鞭で打たれ、牢に入れられたこ
ともありました。そして、このときはペトロの書記となり、この手紙が書かれ
たローマから今のトルコの北部にある諸教会に手紙を届けるのです。ペトロは
彼のことを「忠実な兄弟」と呼んでいます。パウロやペトロの働きにスポット
ライトが当たりがちですが、その側に、彼のような忠実な人の存在があったの
です。主は、忠実な人を喜んでくださいます(マタイ25:14以下)。
2.恵みの内に踏みとどまれ
ペトロは、迫害の中にある諸教会を励ますためにこの手紙を書きました。
(1)私たちは、主の十字架と復活により、新しく生まれ、生ける希望が与えられ、
天に蓄えられている資産を受け継ぐ者とされた(1:3~4)
(2)試練は、私たちを純粋な信仰者とする(1:6~8)
(3)私たちは、執り成しの祈りをし、福音を伝えるために召された(2:9)
(4)神の僕として生きることを通して福音を証しせよ(2:16)
(5)悪魔は様々な形で誘惑し、信仰から脱落させようとする(5:8)
(6)神様が支えてくださっている(5:10)
(7)だから、この恵みの内に踏みとどまりなさい(5:12)
3.恵みの力
ここで言われているバビロンとは、ローマのことです。「バビロンにいる人
々」とは、「ローマにある教会の人々」という意味です。この手紙の宛先であ
る諸教会の人々も、ローマにある教会の人々も、共に神様に選ばれた仲間だと
言っているのです。主が私たちを選び、握りしめていてくださるのです。
ここに「マルコ」が登場します。マルコは、パウロとバルナバに従って、伝
道旅行について行きました。ところが途中で帰ってしまったのです。そこで、
次に伝道旅行に行くときに、パウロはマルコを連れて行くことに反対し、パウ
ロはシラスを、バルナバはマルコを連れて行くことになりました。そのマルコ
が、ペトロから「私の子」と呼ばれています。彼は、晩年のパウロからも信頼
される人になりました(テモテ第二4:11)。彼は変えられたのです。主の恵み
は、失敗した人を再び立ち上がらせる力があるのです。