2024年11月3日(日)礼拝説教 「5つのパンと2匹の魚」ヨハネによる福音書 6章1~15節

「5つのパンと2匹の魚」ヨハネによる福音書 6章1~15節
1.大勢の群衆を前にして

イエス様の話を聞くために、大勢の群衆が集まっていました。イエス様のお
話はとても魅力的だったのだと思います。時刻は夕方になってしまいました。
そこでイエス様は弟子のフィリポに「どこでパンを買って来て、この人たちに
食べさせようか」と言われました。イエス様がこう言われたのは、フィリポを
試みるためで、ご自分では何をしようとしているか知っておられた、と書かれ
ています。それならば、フィリポに聞かなくても良いのにと思ってしまいます
が、これはイエス様が意地悪なのではなく、彼に聞くことを通して彼自身に考
えさせ、彼を成長させようと思っておられたのだと思います。
フィリポは、「めいめいが少しずつ食べたとしても、2百デナリオンのパン
では足りないでしょう」と答えました。男だけで5千人と書かれています。フ
ィリポは計算の速い人だったようです。群衆の人数を把握し、パンを買うとし
たらいくら必要かを割り出し、これではとてもお金が足りない、無理だ、とい
う結論を出したのです。
すると、もう一人の弟子であるアンデレが「ここに大麦のパン5つと魚2匹
とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、それが何に
なりましょう」と言いました。アンデレも、5つのパンと2匹の魚では、とて
も足りない、と言ったのです。
2.イエス様がしてくださったこと
イエス様は、5つのパンと2匹の魚を受け取りました。そして、感謝の祈り
をささげられたのです。フィリポは計算して、無理だと決めつけました。アン
デレは、これでは足りない、と言いました。でもイエス様は、今、あるものを
取り上げ、感謝されたのです。5つのパンと2匹の魚は、きっと少年のお弁当
だったのでしょう。少年は、それをささげたのです。イエス様は、それを感謝
して受け取ってくださいました。そして、それを用いて、5千人以上の人たち
を養ってくださったのです。私たちも、自分で計算して無理だと決めつけたり、
足りない方ばかりを見て失望したりしがちです。でも、無限の力をお持ちのイ
エス様がおられるのです。そのイエス様にささげていくときに、イエス様はそ
れを用いて、不可能を可能にしてくださるのです(フィリピ4:13)。
3.無駄にしない
イエス様は、「少しも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい」
と言われました。「無駄にならないように」とは「滅びないように」という意
味です。イエス様は、一人も滅びないようにと願っておられるのです。