「神の羊の群れを牧しなさい」ペトロの手紙第一 5章1~4節
教会は、みんなで建てあげていくものです。礼拝を大切にし、兄弟姉妹の交
わりを大切にし、祈り合い、助け合い、協力し合って、キリストの体なる教会
を造っていくのです。ここに、明るい教会が造られていきます。
1.神の羊の群れを牧しなさい
まず、「長老」という言葉が出てきます。長老とは、必ずしも年を取った人
という意味ではなく、今でいうと牧師、そして教会の役員を指す言葉です。
ペトロはこの手紙を読んでくれている教会の長老たちにこう勧めています。
「あなたがたに委ねられている、神の羊の群れを牧しなさい。」羊飼いが羊を
養い、育て、守るように、教会の人たちを養い、育て、守りなさい、と勧めら
れているのです。これを牧会といいます。
使徒言行録6章に、教会の中に起きた問題のことが書かれています。教会は、
当時、弱い立場にあったやもめたちに、食べ物を配っていました。ところが、
その分配が公平ではないという苦情が寄せられたのです。そこで、使徒たちは
祈りと御言葉の奉仕に専念し、日々の配給のためには7人の人たちが立てられ、
彼らがその務めに当たるようにしました。これが役員の始まりです。こうして、
教会は、牧師と役員が協力して教会の人々を牧会する体制を造ったのです。
牧会ということで、今朝の聖書箇所には直接出てきませんが、もう一つ申し
上げたいことは、「相互牧会」ということです。牧師や役員にだけ任せるので
はなく、教会員同士がお互いにケアし合うということです。みんなが牧会者な
のです。お互いに、祈り合い、励まし合うのです。こうして、みんなで教会を
建てあげていくのです。
2.牧会の心構え
牧会の心構えとして、3つのことがあげられています。1強制されてではな
く、自ら進んで 2利得のためにではなく、本心から 3支配しようとせず、
群れの模範になる。やがてのとき、イエス様は「よくやってくれたね」と言っ
て栄光の冠をかぶせてくださるのです。ここを目指して行きましょう。
3.私を愛しているか
復活したイエス様は、ペトロに3回、「私を愛しているか」と尋ねられました
(ヨハネ21:15以下)。イエス様を裏切ってしまったペトロは、心を痛めなが
らも、「私があなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます」と
答えます。そのペトロにイエス様は「私の羊を飼いなさい」と言って、教会を
牧する務めを委ねられたのです。ペトロはどんなに感激したことでしょう。イ
エス様は、私たちをも、この務めに任じてくださっているのです。