「愛は多くの罪を覆う」ペトロ第一 4:7~9
1.万物の終わりが迫っている
「万物の終わりが迫っている」と聞くと、どう思われるでしょうか。温暖化、
戦争、災害の多発、まさに世の終わりが近いことを感じるという方がおられる
と思います。反対に、万物の終わりが迫っていると聞いても、ピンとこない、
という方もおられるかもしれません。聖書が世の終わりという時、それは、た
だ世が滅びるということではなく、イエス様が再びおいでくださり、神の国を
完成してくださる時です。また、私たちが生きている間に再臨がなかったとし
たら、私たちがこの世での生涯を終える時が、まさに「終わりの時」になりま
す。そして、その終わりの時は、私たちが滅ぶ時ではなく、天の御国への入り
口、永遠の命に生かされる時なのです。この「終わり」を意識して生きよ、と
聖書は言うのです。それは、生かされている今を大事に生きるということです。
2.終わりを意識した生き方
(1)祈り
「思慮深く振る舞い、身を慎んで、よく祈りなさい」と勧めています。終わ
りが近いからと言って、慌ててはいけないのです。よく祈ることが大切です。
1主との交わりとしての祈り
祈りは主との交わりです。聖書を読んで、特に心に残る御言葉を1節選び、
繰り返し唱えましょう。主がどのようなお方でいてくださるのかを味わいまし
ょう。そこから新しい力が与えられます(詩編1:2~3)。
2願いとしての祈り
イエス様は「求めなさい。そうすれば与えられます」と言われました。祈り
の結果は、神様の御手の中にあることです。そのことをわきまえつつも、私た
ちはイエス様の御言葉に励まされて、大胆に願い求めるのです。特に、人々の
救いのために祈りましょう。
(2)互いに愛し合う
「何よりもまず、互いに心から愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからで
す」と言われています。もし自分が死ぬ時に、人を憎んだり、赦せない思いを
持ったりしたままで死ぬとしたら、どうでしょうか。それは辛いことだと思い
ます。イエス様は人を憎み、赦せない思いを持ってしまう私たちのために十字
架にかかり、私たちの罪を赦し、私たちの罪を覆ってくださいました。こうし
てイエス様は、私たちもまた、互いに愛し合い、赦し合い、罪を覆う者として
くださったのです。「不平を言わずに、愛のもてなし合いをしよう」と勧めら
れています。