詩編103編1~22節(旧P922) 説 教 「主をたたえよ」
「主をたたえよ」詩編 103:1~22
詩編 103 編を読んできましたが、今朝は結びの部分の 19~22 節から主
の語りかけを聞きましょう。
1.すべてを治める主
19節に「主は天に王座を据え、その王権はすべてを治める」と言われてい
ます。主はすべてを治めておられるお方です。
ハイデルベルク信仰問答の問28ではこう言われています。「神の創造と摂
理を知ることによって、わたしたちはどのような益を受けますか。」摂理とは
全能の神様が善い意志をもって支配し、導いてくださるということです。その
ことを知ることによって、どんな益がありますか、と問うています。私たちの
信仰は御利益信仰ではありません。ご利益信仰は自分の都合のいいように神様
を利用することです。ですから、都合の悪いことが起きるとその神様への信仰
をやめてしまいます。私たちは損することであっても、神様が示される道であ
れば従います。神様を神様として敬います。その上で、ここでは、私たちの信
仰にはご利益信仰に勝る益があるというのです。
その答えとしてこう言われています。「わたしたちが逆境においては忍耐強
く、順境においては感謝し、将来については、わたしたちの真実な父なる神を
かたく信じ、どんな被造物もこのお方の愛からわたしたちを引き離すことはで
きないと確信できるようになる、ということです。」すべてを治め、導いてく
ださる主が、どんなときにも私たちを支えてくださるのです。これこそが、ご
利益信仰に勝る「益」です。
2.御言葉の声に聴き従う
御使いの賛美に合わせて、勇士たちよ、主の万軍よ、御旨を行う者たちよ、
共に主をたたえよ、と呼びかけられています。歌の上手な人の中に入って一緒
に歌うと、歌えるようになっていきますね。そのように、御使いの賛美に合わ
せて一緒に歌うとき、御言葉の声に聞き従う者となっていくのです。賛美を歌
うとき、御使いの聖歌隊の一員になったつもりで、歌詞を心に刻み、「アーメ
ン、その通りです」という思いを込めて賛美しましょう。そのとき、御言葉の
声に聞き従う者へと引き上げられていきます。
3.私の魂よ、主をたたえよ
詩編103編は、「私の魂よ、主をたたえよ」で始まり「私の魂よ、主をた
たえよ」で終わっています。主がどのようなお方でいてくださるのかを、もう
一度、味わいましょう。「主は憐れみ深く、恵みに満ち、怒るに遅く、慈しみ
に富む。」この主を、心からたたえましょう。